ドイツの小さな村に日本の山村の未来が見える!

村の挑戦

2014年4月14日

ドイツバイエルン州の南に、ドイツで一番幸せな村と言われている「レッテンバッハ村」があります。1月11日から長野県根羽村を皮切りに、全国6ヶ所でレッテンバッハ村のフィッシャー村長の講演会が開催されました。レッテンバッハ村は、1978年に州政府の法律により合併が行われました。合併後、学校や公共施設が統合売却され、店やガソリンスタンドもなくなってしましました。合併前の人口が700人であったのが、若者が流出してしまい、580人まで人口が減少しました。「このままでは村が崩壊してしまう」との危機意識から、現村長のフィッシャー氏を中心に独立運動を進め、州政府の法律を改正させ1993年に独立にこぎつけました。
独立後まずインフラ整備を進めましたが、補助金等に頼らず全部自分たちで考え、自分たちの手で一つ一つ作り上げて行った結果、村にはまったく借金がありません。村の大きな収入源となっているのは、太陽光発電を中心とした自然エネルギーの活用で、15億円もの収入があるようになりました。また、薪ボイラーによる熱供給も盛んで、薪は村民が持ち込むと、村内で使える地域通貨がもらえます。このことが村内に経済循環を起こさせます。村の中心部には、村営スーパーがあり、多くの村民が買い物や憩いの場として集います。また、村内にあった小さな工場が今では世界に通じる工場にまで発展しました。これらの工場を担っているのは、農家の息子たちで、エンジニアとしての誇りと併せ、雇用の場としても重要な部門を担っています。そして何より、次世代を担う子供たちをとても大切にしています。村には子供たちの議会があり、予算もあります。子供たちが自発的に地域づくりに取り組める仕組みがあります。子供たちが故郷に誇りを持って幸せを感じれば、大人になった時に必ずまた戻ってきてくれます。大人がその魅力を子供たちに伝えるのがとても大切であるとフィッシャー村長は強調されました。830人を超えるまでになりました。
日本の山間地はどこも必死にあえいでいます。そうした中で、「自分たちの住んでいる地域と暮らしはとても素晴らしいんだ、自分たちの心のスイッチを切り替えて、もっと地域に自信と誇りを持とう、それがこれからの地域づくりの原点である」そんな熱い思いを改めて感じさせてくれたのがフィッシャー村長でした。

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